UNBOX black 2023/2024 感想

●アナウンス

機内搭乗最終案内のアナウンスで、初めはお菊ちゃんじゃないんだ〜と思ったけれど、よく聞くとなんとあやねちゃんのアナウンス。綺麗な声だったから、そういう職業の人に頼んだのかって思った。「してくだ、さい⤴︎」で語尾があがるのがめっちゃ面白かった!

2回目の最終案内はぺーちゃんのアナウンス。Reolの言い方が個人的に良かった。

 


Reolのライブならではの紗幕にてライブの注意喚起。今回は飛行機内で流れてくるよく見るアレのパロディ。れをるが客室乗務員役で、うさぎとくまを誘導していく。うさぎがタバコを吸ってるシーンで足組んでてめっちゃ美脚だったのが印象的。避難時のスケールデカすぎて、うさぎとくまが逃げてく奥の窓には、なんか隕石みたいなのがたくさん落ちててめっちゃわろた。緊急事態すぎる...!Reolの公演前にこんなパロディ風注意があるの良いよね~~キャビンアテンダントれをるが可愛すぎる~!

 


注意書きが終わると、今回のライブコンセプトを背負った映像が流れ始める。「COLORD DISC」初回限定盤のパッケージデザインである、地球・土星ワームホールが登場し、立体的にBLACK BOXの中身を抽象的に表現する。幾何学的なデザインはXFDの時にも登場していたので、今回の映像はyonayonaさんだとすぐにわかった。あくまでも抽象的、でも全部がReolの楽曲それぞれに意味があって、ダイナミックな映像に迷い込んでしまいそうだった。お菊ちゃん以外の開始映像は初…?だと思うので、なんだかとっても新鮮な気分になった。

 

 

 

1.Final Call

初手は予想していた人も多かったであろう「Final Call」新曲が先頭に来るのが最近のReol風になってきてて、舞台上では馴染みのない新曲に「おっ!」と気持ちが高揚する。イントロが始まり、れをるが歌い始めるものの何処にもその姿は見当たらない。舞台の真ん中には四角い箱。本人不在のままノる観客うろたえ気味(大阪)スモークが両サイドからもくもくと上がると、お待ちかねのれをるがどこからともなく登場。最後の神奈川公演のスモークの量はめっちゃ気合い入ってた!イリュージョンに引っかけた演出を早速感じる。黒い衣装に身を包み、箱の中で力強くラップを重ねて凄く格好良い幕開けになった。客席で声を揃えながら、「開け、開く」とUNBOXを開梱するよう唱えるのが一体感あった。後ろの映像が、今回のライブグッズであるテープと似てるデザインでさらに上がった。あのQRは読み込むと何が出てくるんでしょう、神のみぞ知る。

 


2.VIP KID

まさかのまさかの、BLACKBOXで「VIP KID」が聞けるなんて...!感動の嵐で全身の鳥肌が立つ。フラッシュバックするのはやっぱりテンカイノコウシキ。当時よりも遥かにレベルアップした歌唱力。でもやっぱり根本はれをるのままで。湧き上がってくる当時のノリと共に、全力でノる。今回は割とダークな楽曲たちを初手に集めたのかな?と思った。「VIP KID」も我儘王道の強めの歌詞だから黒っぽい。でも、テンカイの時は衣装白で、観客みんなドレスコードも白だったな〜って思いだした。でも、今回はみんな真っ黒だし、れをる自身も真っ黒でなんだかクスリと笑ってしまった。本家とちょっと違うアレンジも当時のままでほんとに最高だった。高いヒールをコツコツ揺らしながら階段を踏みしめる姿が高尚で見入ってしまった。あんなのみんな見ちゃうよね。

 


3.第六感

今回の「第六感」はここでくるんだ〜と早い登場にちょっとびっくり。でも、会場は久しぶりの声出しによってめっちゃ上がってて。しかも、いつもの第六感じゃなくて、まさかのFIRST TAKE Remixが聞くことができた!後ろがリリックビデオになっていて、画角とか綺麗に調整されてた。やっぱりこの映像ありきの「第六感」が完成形なわけ。武道館ライブが東京公演で発表されてからは、このリリックビデオに隠されているたくさんの思いにじーんと来てしまった。

 


4.ウテナ

トライバルな映像と共に「ウテナ」のスタート。ダークな曲と言えば、「ウテナ」だってもちろんダーク。大阪公演は初手とは思えないほどの手拍子とノリがほんとに心地よかった。ホールで見る、会場全員を包んでさらに高みに連れて行ってもらえそうな気がした。新旧色んな楽曲が来るんだ…!ってここで改めて実感。それに、あの衣装での「ウテナ」はずるいよね。圧倒的すぎる。そして、バックにダンサー2人がいるのが余計にMV看守を彷彿とさせる。

 


5.SCORPION

ウテナ」⇒「SCORPION」の音繋ぎが大好きになったのは私だけじゃないはず!ウテナでバリバリ塔の上から見下ろしてる気分だったのに、ここで「SCORPION」は強すぎるコンボ。新式浪漫とは違った「SCORPION」Reolが観客にマイクを向けて、みんなで『コンプレックス』を叫ぶのが最高に気持ちよかった〜〜!メロディ自体はこちらもダークではあるものの、歌詞は私たちに強く寄り添ってくれるものだからとても響く。

 


6.Ms.CONTROL

この曲もダークサイドの曲だよね〜洗脳系だもんね〜って思わせてくれるこの曲。Reolは再び箱の中に戻って歌姫のように歌い上げる。官能的なメロディと共に、スカートの端を手でなぞるのが刺激強くてクラクラした。激アのときも思ったけど、ここの映像のうつり変わっていく構成と怪しく照らしていくライトがほんとにマッチしててスゴすぎる。魅入るしかない。この楽曲はライブを重ねる毎により味が出るタイプ。後、何度も言うけど映像が最高なわけ。

 


7.GRIMOIRE

イントロから一気に御伽噺の世界へ誘われる。

童話の中のキャラクターのように歌って踊る。「GRIMOIRE」の魔法を唱える時に指で頭上をくるりと回し始めたのは音沙汰から。それが一気に定着して今回、みんなでくるりと指先を回転させるのが、魔法を会場全体でかけているように思えて楽しかった。高いヒールであのダンスを繰り広げるれをるが凄すぎて、最前列の時はガン見してしまった。「GRIMOIRE」は今までの公演で歌われるのは少ないように思ってたけど、(ハーメルンでコロナに入ったため)最近その出番がググっと増えてきていてなんだか嬉しい。ダンサーの動きもすごく御伽噺チックで、初めの方で黒いマントを包んだ2人が怪しく導くように片方に手を伸ばしてお立ち台に上がっていくのが凄く印象的だった。

 


8.secret trip

新式浪漫の一発目に持ってこられた曲だから、あの光景はフラッシュバックするけれど、UNBOXの中に入ったこの曲は、またひとつ味が変わったような感覚がした。前向きになれて、会場全体をほんわりあったくしてくれる。れをると自分にアイラブユーを伝えて、会場全体がほんわか温かくなった。どのblackの公演でも、笑顔で優しくホールを見渡すれをるの姿にグッときた。

 


9.ミラージュ

今回の映像と、れをるの歌い方のマッチ度合いが高くて、本当に泡の中に吸い込まれたりしているようだった。しかも、途中で紗幕があいていくのも素敵に感じた。少し前からこの映像になったけれど、大きな会場であればあるほど、この映像は立体感を増して綺麗に映える。黒い箱の中で歌い上げるから、余計に深海にへと落ちていくように思えた。

 


10.シンカロン

気がつけば、れをるは箱の上にへと移動。この演出は凄くお気に入りで、高さが凄くあるけれど、不安を感じさせない歌唱と映像に感服。文明EPから仲間入りした、秋赤音×お菊のコラボ映像はホントに大好き。「シンカロン」をさらに完成させてる。これもちゃんと位置が調整されていて、しっかりと瓶の中に収納されてた。手の動きと映像が連動しているのが、いつ見ても素敵。れをる十八番のホイッスルボイスはいつも安定感でしかないし、ホール全体に彼女の声が響くのがエグいほど好き。

 


11.-#000000-

奥行きありまくりすぎて異空間に放り出された気分。BLACKBOXに積み上げられてたアイテム(刀とかメガホンとかシャンデリアとかとか)が、たゆたったり、くっついたりするの凄かった。ぬるぬる動くとはこのこと。前回は回顧上映だったからノスタルジックな映像だったけど、今回はその逆で現代の最先端を進んでいくって感じだった!あの女性の手の再現度すごい、どうやって作ってるんだろうか。

 


12.ムーブのための試奏曲

いつもは秋赤音×お菊の塔が建っていく映像がお馴染みなんだけど、今回はなんとダンサーが4人いて音楽に合わせてオリジナルの表現で踊っていくのがすごく新鮮だった!途中で曲の感じが変わっていくけれど、4人がそれぞれでダンスに落とし込んでいく姿は魅入られた。最後の、風を方できりながら歩いていくシーンが揃ってて、あのシーン最高に好き!ってなった!

 


13.煽げや尊し

薄紫色の和風衣装を纏うれをるの頭上に見た事のあるダルマが登場。来るとしたらもう「煽げや尊し」しかない。今後来る和風パンチに期待しながらも、ダンスミュージックで会場が更に沸く。新式の思い出が強いけど、この楽曲もフェスでたくさん披露されて、色んな思い出が積み重なってる。一つだけ気になるんだけど、途中で映像内に黒と白が出てくるシーンあるけど、あれ元々だっけ?今回仕様でリメイクされてる?お菊ちゃん、筆者くん気になるよ…

 


14.宵々古今

あかーんってなった!「煽げや尊し」の次に「宵々古今」は体力ごっそり持ってかれるやつ!和風盛り上がりパートでめっちゃ嬉しいから後のことは考えずにとにかく最大限に飛んでタオルを回す。恒例「あいやっさー」をお菊ちゃんのハモリと共にみんなで声をだすのが楽しかった。紗幕での投影じゃなかったけど、ちゃんとMVがバックでさらに盛り上げてくれていた。手で作った影とか、手書きの口とか、お菊ちゃんの登場こだわりがフラッシュバックしてじんときた。神奈川公演では、なんと、バックではなくステージの上側に花火が上がる演出で、見上げながら本当に打ち上がってる気持ちになった。

 


15.さよならのすゝめ、今日のつづき

一度 暗転して、「宵々古今」の花火の音が名残惜しそうに響く。響く。次にくるのもアッパーな曲かと思いきや、流れてくるのは儚いピアノの音。このタイミングでこの曲がくると、祭りの後の寂しさを残しながら、それを過去にして懐古する流れに早変わり。夏のほんのり感じる淋しさをより際立たせて、この曲を持ってきたのは鳥肌。3Dの金木犀が満開で綺麗で、その周りを飛ぶ鳥と、柔らかい日差しがさして、まるで天国・楽園のようなイメージ。どうして金木犀なんだろうって調べてみると、死後の意味をもつ幽世の花言葉があるらしい。魔除の花として神社に植えられていることから、「死後とこの世をつなげる香り」の意味が出てきたらしい。つまり、本当に天国のイメージなのかも。優しくて美しい裏声に空気が透き通る。

 


16.染

そこから続くのは「染」。思い出に触れながらどんどん心の内側に入り込んでくるセトリに涙が止まらない。「さよならのすゝめ」は少し立ち直って客観的に受け止められているけれど、「染」はその真逆で主観でとにかく感情のままに揺れ動く楽曲に近いので、この2つが並ぶのは人間の形容できない心の揺れを表現しているように感じた。神奈川公演では、「ほどけた」の言葉がなくて、それもまたグッとくる。

 


17.切っ先

「染」からどう流れていくのかと思ったけれど、「切っ先」が全てを救いあげる。アルバムでは「さよならのすゝめ」の後にくるけれど、「染」の次にくるセトリにも感服。もうこれしかないよね。ダンサー陣の剣を使ったカッコイイパフォーマンスと、映像の睡蓮が流れたり、刀が真ん中に浮かんだりとする背景が融合してミュージカルでも見ているような勢いだった。途中での衣装チェンジはいつ見ても早業!ダンサーの剣心をイメージしたオレンジ色の和装も似合っててとてもかっこよかった!

 


18.Boy

「Boy」の前にMCがあって、念願のシンガロング。ホール全体に響くれをるのアカペラに、肺活量に驚くばかり。フェスでフライングで声を出したりしてたけど、れをるの言う通りワンマンの声出しは格別。「Boy」を作った時からずっとシンガロングがいつかできたら...って言ってたから、ほんとうに今日が念願の時間になった。声出しができるって本当にありがたいことで、ライブってこんなんだったなーってあらためて懐かしい記憶が蘇った。いつだって、れをるがマイクを向けると、全力で叫んで、歌って、周りの目なんか気にすることなく大きな声出して、それが特別な時間だったなって再確認した。

 


19.DDD

もうこの曲を生で聴きたくて聴きたくて仕方がなかった今ツアー。メロディが流れてくると、きたきたきたぁと体全体が熱に呑み込まれる感覚。リズムに包まれるってこういうこと!だらでぃんダンスにつられて会場全体がだらだら踊り出してて、ここって一応ホールだよね?(大阪)ってなったけど、楽しいしシュールで面白いからなんでもおっけ〜ってなった。みんなで踊るの楽しい〜!神奈川公演では、なんとエリナの登場!来ると思ったような、思わなかったような??まさにMVの世界観が現実に。アタ西さんは完璧にエリナverになっていて、あの独特なキャラクターをひたすらに貫いていた。マイキーさん以来のゲスト登場(さらにアーティストではない)に会場は大興奮!れをるとのやり取りにも思わずクスッと笑ってしまった。流石、漫才で舞台に立っているからMCも笑いに持ってくのが上手い。エンターテインメント。

 


20.TAKE OFF

どんな演出でくるのか、今回のツアーで1番楽しみにしていたのはこの曲。どんな路線の演出でもピッタリと合いそうだけど、まさかダンスリボンをもってくるとは思ってもみなかった。今までのツアーでれをるは色んな驚きを持ち込んできていたけれど、今回のポイントはまさにそこ!間奏の部分でリボンを優雅に前後に振って無重力感でてるのがほんとによかった。そして、『安全圏突破七回転半』をスカーフやタオルを回すのがもうもう!!腕はめっちゃ痛いけど、最後の最後まで回し尽くした!blackの公演が重なって行くたびにボルテージも上がってて、超楽しかったな〜〜!

 


21.綺羅綺羅

サビの途中からミラーボールが降りてきてパってライトがついたり、舞台の真ん中に降りてきたりと、それぞれ会場ごとの演出があった。個人的に、セトリの最後の方にもってくることが意外だったけれど、今やすっかり馴染んできてて最高の曲。フェスではみなかったけど、あやぺーと3人でダンス踊ってるのがめっちゃ可愛かった!ニュータイプトーキョーみたいだった。れをるが踊り始めた時、リスナーたちが歓声上げててめっちゃわかる〜ってなった!札幌と神奈川公演の前にはすっごく感動するMCが入って、もう綺羅綺羅なしじゃ生きられない〜ってなった。こんなに鼓舞して褒めてもらって支えてくれる曲だなんて…感動…。

 


22.赤裸裸

激アからやってきた曲だけど、頭やすっかりライブを盛り上げてくる曲の1つになってる。大阪は喉の調子が絶好調で、それが、赤裸裸にも強く反映されててもう会場ボルテージもMAXだった!光の演出はいつも通り、曲の通り、激しく早く眩しい。「Final Call」から始まって、目まぐるしくセトリが流れて行って、このクライマックスにアルバム「BLACK BOX」の心臓である「赤裸裸」を見せつけていくのが最高にクールで良い。この流れこそが、心の内部。核心。

 

 

 

ーアンコールー

23.LUVORATORRRRRY!

やーーー!きた!ってウキウキでメロディに乗ってるけど、肝心のれをるがまた居ない。「後ろだよーー!!」と叫ぶ姿に後ろをふりかえってみると、まさかの舞台後ろ側からのアンコール再登場。歌いながら階段を降りて、客席とハイタッチを交わしていく。真ん中の位置までたどり着くと、そこに留まりながらしばらく歌唱。ファンの真ん中で歌い上げる姿がとっても珍しくて、主役がこんなにも近くにいるから会場内の熱気がさらに爆上がり。舞台に戻る際にも客席とタッチを交わして、前列全体ともタッチしてた。なんだか久しぶりな光景に、コロナがあけたんだって改めて実感した。そういえば、れをるは昔からよく観客に手を伸ばしてくれてたや。懐かしい。

 


23.劣等上等

フェスで最高の盛り上がりを見せるこの曲を、まさかホールのセトリに組むとは…。みんなで一斉に振りをしたり、踊り狂ったり、れをるはどこにいるのかわかんないけど、とにかく騒いで楽しいからまあいっか!声が聞こえるし!って感じだった。ワンマンでやってもらうの久しぶりだったからすっごく嬉しかった。

 


アンコールにライブTシャツで出演するのは、アーティストあるあるらしいんだけど、Reolは今まで1度もなかった。極彩色のとき、最後の挨拶でお菊ちゃん、ギガちゃんが出てきたときはライブT来てたけど、それ以外は記憶にない。だから、今回は凄く珍しかったし、何よりも白と黒のTシャツをリメイクして合体させるなんて思ってもみなかった。あれ、めっちゃ可愛いね〜!

 


24.No title

最後の曲は、定番の「No title」。毎回、ありがとうを言いたいのはこっちだよって思うし、サビは声が高くてぼそっとしか歌えない。昔はこの曲がこんなに大きくなるなんて思ってもみなかったし、れをる自身がそれをひたむきに隠していたように思う。でも、8月に繋がる武道館への道へは「No title」がないやってられない。最高のライブの締めになった。

 

 

 

 


ライブハウスでReolを見に行くことが当たり前だった数年前。まさか、ホールでツアーをつなげていく未来があるなんて思ってもみなかった。でも、大きな箱で色んなファンがいる中で一緒に声を出したり振りをしたりして1つなっていくことが楽しくて、癖になりそうだった。ホールだからこそできる演出があって、それはきっと昔かられをるがやりたかったこと。それが再現できる場所になってきていることがファンとしても嬉しくて、予想外な演出に驚いて。こうやってどんどん応援していくアーティストが成長して、見届けられることがとても嬉しいなって感じた。冬のツアーは体調を崩してしまうことが多かった私だけれど、できる限りの参加ができた。どの公演にもドラマがあって、それをリアルで見られるのがどんなに貴重な時間か改めて感じた。私もまた、色んなものをを開梱させて頂いたblackツアーになった。本当に楽しかったな〜〜!!!

 


‪☆インフルエンザの予防接種は冬ツアーには必須。打つべし。